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調律 ~羊と鋼の物語~

桜の蕾が膨らみ始め新生活に向かうこの季節。

ランドセルの色、卒業式の袴、中学校で入りたい部活動…生徒さんは生き生きとお話してくれます。

ご卒園ご卒業おめでとうございます。

 

さて、ピアノの輪は確定申告を済ませ、美浜文化ホール・音楽ホールに発表会の予約を入れ、体験レッスンのお申込みも増えてきました。

新しい音楽との出会いにワクワクしています!

 

新年度を迎えるにあたり、ピアノの調律をお願いしました。 

今回は気になっていた残音や下がっているピッチを直して頂き、お陰様で心地よく弾くことができます。

 

打鍵によりハンマーが上がり鋼を叩いて音が鳴る構造です。

 

ハンマーファイリングをしても、70人超が弾いたこのピアノはフェルトに鋼の跡がくっきり。ここから音が生まれます。(写真左)

 

ソフトペダルを踏むと微かに鳴る金属音は、針を刺して取り除いてもらいました。(写真右)

 

ピアノの輪開校にあたり音響の相談にも乗っていただいた調律師さんは、「羊と鋼の森」の撮影に使われた専門学校に通われていたとのこと。小説だけでなく映画も見たくなり、すぐに借りに行きました。



北海道の自然の美しさに心が洗われ、情感豊かに鍵盤に思いを馳せるピアニストに憧れを抱くとともに、ピアノを弾く痛み、それを越えて尚、羽ばたいていく音色に静かな感動に包まれました。

 

職人技には、ピアノを大切にする気持ち、ピアノを弾く人を思いやる気持ちが根底にあること。

そして、ピアノを弾くこちらの望みを真摯に聴いて下さり、その望みを叶えるために培った技術を惜しみなく注がれる丁寧な仕事に背筋が伸びました。

 

このピアノが生徒さんの演奏を支え、ますます活躍してくれますように。

感謝をこめて!